廃棄物処理の現状

廃棄物を処分するには、数多くの課題があります。
廃棄物の排出を抑制し、その上で再生利用(リサイクル)を推進していく社会、
すなわち循環型社会への転換こそ、これからの人類の仕事なのです

廃棄物処理の現状

一般廃棄物

一般廃棄物は、直接埋め立てられるもの、焼却されるもの、焼却以外の方法で中間処理されるものに大別されます。
焼却以外の中間処理施設には粗大ごみを処理(破砕、圧縮など)する施設(粗大ごみ処理施設)、資源化を行うための施設(資源化施設)、堆肥を作る施設(高速堆肥化施設)などがあります。
焼却の際には、発電、熱利用等有効利用が行われている事例も増加してきています。焼却処理による焼却残さ(燃え残りや焼却灰のこと)などは最終的には埋立処分されます。
直接埋め立てられる廃棄物、焼却残さ、焼却以外の中間処理施設の処理残さを合わせたものが最終処分場に埋め立てられる量になります。焼却や破砕処理あるいは資源化等の中間処理を行ったごみの割合を「ごみ減量処理率」と言います。この値は年々向上していて、各自治体で目標や実績などを発表しています。

産業廃棄物

産業廃棄物の排出量を業種別でみると、排出量の最も多い業種が電気・ガス・熱供給・水道業(下水道業を含む)となっています。次いで建設業、農業、パルプ・紙・紙加工品製造業、鉄鋼業、鉱業と続き、この上位6業種で総排出量の約8割を占めています。

産業廃棄物の排出量を種類別にみると、汚泥の排出量が最も多く、全体の半分近くにも達しています。これに次いで、動物のふん尿、がれき類となっています。これらの上位3種類の排出量が総排出量の8割を占めています。

産業廃棄物の排出量を排出地域別にみると、関東地方からの排出量が最も多く、これに近畿地方と中部地方を合わせた地域からの排出量が全体の半分以上を占めています。

廃棄物処理・リサイクルに係る制度

法制度の全体像

私たちは、日常の生活の中で様々な廃棄物を排出しています。
これらの廃棄物を適正にリサイクルしたり処理したりしないと、私たちの生活環境を衛生的に保てなくなるだけでなく、環境へ大きな負荷を与えてしまいます。


日本では、環境に関する基本的な考え方や環境の保全に関する施策の基本は「環境基本法」において定められており、廃棄物を適正に処理する必要があることが示されています。
廃棄物の定義や処理責任、処理方法や処理施設に係る基準などは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)で定められています。
さらに、リサイクルを促進するための法律として、「再生資源の利用の促進に関する法律」(再生資源利用促進法)、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(容器包装リサイクル法)、「特定家庭用機器再商品化法」(家電リサイクル法)が定められています。


また、廃棄物の処理を行う施設は、周辺環境への負荷を抑えるための基準や土地利用に関する基準を守らなければならないため、「大気汚染防止法」などとも深く関係しています。
その施設の規模や立地が周辺環境へ大きな影響があると考えられる場合には、「環境影響評価法」とも関わりがあります。


国際的には、先進国で発生した処理の困難な有害廃棄物がアフリカなどに輸出されていたことが契機となり、有害廃棄物の国境を越える移動を規制する「バーゼル条約」が結ばれています。
そして、この「バーゼル条約」と海洋への廃棄物等の投棄を規制する「ロンドン条約」に応じた国内の法律も作られています。

廃棄物処理の基本

廃棄物の処理について

一般廃棄物の処理に関する責任は、市町村にあり、市町村もしくは市町村が委託する事業者によって処理されるのが基本です。
事業系の一般廃棄物については専門の処理業者によって処理されることもあります。

一方、廃棄物を排出する事業者は、その事業活動によって生じた産業廃棄物を自らの責任において処理しなければなりません。これは、「汚染者負担の原則(Polluter-Pays Principle;略してPPP)」とよばれる考え方に基づいており、世界の多くの国で取り入れられている考え方です。
廃棄物の処理の方法として、事業者が自分で処理施設を作って処理する場合と専門の処理業者に委託して処理する場合がありますが、廃棄物処理法では、いずれの場合も、排出事業者は最終処分まで適正に処理を行う必要があります。

再生資源利用促進法

再生資源の利用の促進に関する法律

再生資源利用促進法は、資源の有効活用を図るとともに、廃棄物の発生の抑制及び環境の保全を図るために、平成3年に制定されました。
主に企業におけるリサイクルの促進を目的としており、企業に対してその製品の設計段階から再生利用を考えて製品づくりを促すとともに、製造工程での再生資源の利用促進について定められています。

容器包装リサイクル法

容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律

容器包装リサイクル法は、主に家庭から出るごみの中で容積比で約5~6割を占めるびんや缶、包装紙などの容器包装廃棄物を分別収集して再商品化することにより、ごみの減量と資源の有効利用を図るために、平成7年に制定されました。

この法律では、消費者は、びんや缶、包装紙などを分別して排出し、市町村はそれを分別して収集し、その製造業者等は市町村が分別収集した容器包装廃棄物を再商品化する役割を担うことになっています。
対象となる容器包装廃棄物は、びん、缶、プラスチック製品など、商品の容器及び包装で商品の消費に伴って捨てられるものです。平成9年の法律施行時点では、ガラス製容器、ペットボトル(飲料及びしょうゆ用のもの)の2種類が再商品化義務の対象になっています。平成12年4月からは、紙製の容器包装及びプラスチック製の容器包装が対象に追加されます。

家電リサイクル法

特定家庭用機器 (家電) の再商品化に関する法律

平成10年には、家電製品についても具体的なリサイクルの制度が作られました。
これがメーカーや販売店が、テレビ、冷蔵庫などの家庭用の電化製品の収集、運搬、再商品化の責任を負うことを明確にした特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)です。

この法律では、家電製品を製造している企業に、小売業者から機器を引き取り、再商品化等を実施する義務を課しています。小売業者には、過去に販売した機器を引き取り、製造業者等に引き渡す義務があります。消費者は、再商品化のための費用を負担するとともに、家電製品をきちんと引き渡さなければなりません。そして、市町村が回収したものは、製造業者等に引き渡すことになります。

対象となる家電製品

平成13年に施行された家電リサイクル法が改正され、新たに対象機器が追加されました。
対象機器は液晶テレビ・プラズマテレビ、衣類乾燥機です。使用済みとなったこれらの製品を廃棄する際には、これまでの家電4品目と同様に、リサイクル料金を支払い、小売店に引き渡すことになります。